人や社会が無意識に抱いている思い込み「アンコンシャス・バイアス(UB)」に関するセミナーが、倉吉交流プラザで開かれた。オンラインを含めて約80人が受講し、よりよい社会の実現に向けて自分自身のUBに気付くことの大切さを学んだ。
男女共同参画の障壁となり得るUBについて知ってもらおうと、鳥取県男女共同参画センターよりん彩が企画。アンコンシャスバイアス研究所(東京都港区)の守屋智敬代表が講師を務めた。
守屋氏は、UBは過去の経験に基づくものだとし「誰もが持っており、とっさの言動などに現れる」と指摘。「自分の可能性を狭めるだけでなく、ジェンダー平等推進を妨げるなど社会に否定的な影響を及ぼす可能性がある」と訴えた。
一方で、「認知本能のため完全な払拭は難しいが、新たな経験による上書きはできる」と助言。自分自身の中にあるUBに気付き、異なる価値観を抱く相手との対話を通して価値観を上書きし続けることを求めた。
三朝町の公務員の男性(37)は「自分の言動にUBが潜んでいるなど考えたこともなかった。これまで当たり前だと思っていたことに対し、振り返る意識を持ちたい」と話した。(井田慎一)