生の声で歌い継ぐ 鳥短大の准教授ら 唱歌・童謡を伝える活動 保育現場でコンサート

 音楽教育に携わる大学の准教授ら2人が、保育現場で唱歌・童謡を歌い継ぐ取り組みを進めている。18日には倉吉市の鳥取短期大付属こども園でコンサートを開き、園児たちと一緒になじみのある楽曲を口ずさんで日本の伝統文化である歌の魅力を伝えた。

 活動しているのは、同短大幼児教育保育学科准教授の津上崇さんと鳥取大非常勤講師の羽根田真弓さん。2人は明治~大正時代に子どもたちの歌として誕生した唱歌と童謡を、電子的な媒体ではなく生の声で伝えることの必要性を感じ、保育現場を訪れて童謡・唱歌を発信している。

 18日のコンサートには、季節の歌として「夏」と「秋」の曲を用意。2人はピアノ演奏と歌唱を交代しながら「あめふり」「しゃぼんだま」「もみじ」など17曲を披露した。「たなばたさま」などの曲は園児たちも身ぶり手ぶりをして一緒に歌い、唱歌・童謡の楽しさを肌で感じ取った。

 年少児を通わせているある保護者は「(唱歌・童謡を)子どもと一緒に歌うことはあまりない。改めて歌の素晴らしさが分かった。ぜひ、歌いつないでいきたい」と感想を述べた。同こども園の横浜純一園長は「唱歌・童謡はすごい財産。大事に受け継いでいかなければ」と今後の2人の活動に期待する。

 長年、歌遊びを指導している羽根田さんは「人から人へ歌い継ぐことが大切。互いに共有することで、歌のイメージを膨らませることができる。子どもたちの感性も育まれる」と述べた。今後も県中部の保育現場で活動を続けるとともに、親子で楽しむコンサートも実施したいとしている。(前田雅博)

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