日本海政経懇話会(新日本海新聞社主催)の中部、西部例会が22日、倉吉、米子両市内で開かれ、元衆院議員の金子恵美氏が「輝く女性が日本を救う」と題して講演した。日本が直面する人口減少と労働力不足について「女性活躍がなければ解決できない」とし、伝統的な価値観から脱却する必要性を説いた。
金子氏は、非正規労働の割合が高い女性は出産・育児を機に仕事を離れざるを得ないとし「男性が育児だけでなく家事も担えば女性に働く余裕が生まれ、子どもを『もう1人産もう』と考えることができる」と指摘。諸外国と比べて低い水準にある男性の家事分担率を向上させるため、「社会に固定された性別による役割分担意識を変えなければならない」と国全体での“マインドチェンジ”や働き方改革の推進を求めた。
倉吉市山根の倉吉シティホテルであった中部例会には、会員約80人が出席。仕事と育児を両立してきた中海工業の中嶋知美取締役総務部長(55)は「伝統的な『家』制度などの価値観では、社会を維持できなくなると痛感した。働きながら子どもを育てられる国になるよう、世の中が変わらなければ」と意識改革の必要性を再認識した。
米子市皆生温泉4丁目の皆生グランドホテル天水で開かれた西部例会で聴講した、学習塾経営などを手がけるMnetグループの渡部正人代表(57)は「女性活躍を図るには、出産・育児とキャリアアップの両立が必要で、そのためにも女性の健康を守ることが大切だと学んだ。今後、女性役員を増やしたいと考えており、いいアドバイスをいただいた」と話した。(井田慎一、北尾雄一)