-制作のきっかけは。
主人公のウタが感じている「人との距離感」と「家族への罪悪感」は、自分が昔、実際に感じていたことでした。ウタのように1人でいるのが好きだった私は、「つきあい悪いよね」と言われたこともありました。そして、大人になって入院中の父親の付き添いで疲れ果て「今日は家に帰りたい」とわがままを言ったことがあり、ずっと申し訳ないと思ってきました。その二つの気持ちに向き合うことで、この作品は生まれました。
-小学生の主人公とその家族の話が多いですが。
人にはそれぞれ違った家族のストーリーがあり、特に子どもはその影響を強く受けているだろうと思うからです。いろいろな家族の形があっていいけれど、できるなら夕食の時間はたくさん会話してほしい。食事のシーンが多くなるのは、その願望の表れ。結果、体にも心にも栄養を蓄え、何かあった時、家族に悩みを吐き出せる柔らかな人間に育ってほしいのです。
-コンクールにチャレンジする子どもたちに伝えたいことは。
読んでみて「あ、自分と同じ」というだけではなく、「いや、自分はそうは思わない」と感じる人もいるはず。皆さんから、いろんな種類の感想を聞かせてもらえたらうれしいです。
「右手にミミズク」で第1回フレーベル館ものがたり新人賞大賞。著作に「きつねの時間」(フレーベル館)「ブレーメン通りのふたご」(同)、「魔女ラグになれた夏」(PHP研究所)
募集要項
◆内容 課題図書を読み、絵てがみまたは感想文を書いて応募する。各部門1人1点
◆応募方法 所定の応募票に必要事項を記入して作品に添付し、〒682-8505、日本海新聞中部本社ビジネス支援課「読書コンクール」係へ郵送または持参する
◆締め切り 2024年1月19日(金)必着※詳しくは日本海新聞ホームページをご覧ください。
主 催 鳥取県学校図書館協議会
新日本海新聞社
特別協賛 鳥取銀行