家族の思い詰まった一冊 自作の詩や3人の子どもの作品収録 塾講師 岡田さんが文集発行

 米子市福市の塾講師、岡田年正さん(64)が、家族文集「黎明(れいめい)」を刊行した。高校講師時代に国語の授業の中から生まれた岡田さんの詩や評論、3人の子どもが青春期に書いた作品を収録。家族の思いが詰まった文集となっている。

 岡田さんは小学校教員を早期退職。大学院で歴史を研究しつつ、高校や塾の講師などを務めた。娘の大学卒業を機に卒業論文を冊子にしようとしていたが多忙で先送りとなり、昨年11月に、これまで岡田さんや子どもたちが書いてきた作品と合わせて文集にした。

 「シリウス」「シジミ」など岡田さんの詩3編は、鳥取城北高講師時代に生徒に配った作品。教科書に掲載された詩と同じ題の詩を生徒に書かせ、岡田さんも家族への思いや幼少期の記憶などを自作の詩にした。

 立命館大2回生の次男、悠資(ゆうすけ)さんが高校時代に英語の弁論大会で発表した「来(きた)るべき災厄」は、突然の気候の変化がもたらす影響について新田次郎の作品と自己の体験を重ねて論じた。

 岡田さんとは直接血がつながっていない2人の娘の作品も興味深い。姉のまどかさんの「妹~二人の間にある溝~」は、米子北高時代に読書感想文コンクールで県代表に選ばれた作品。母親の離婚と再婚を経て生じた妹との距離感を文学作品に重ねた。妹の舞弥香(まやか)さんの京都女子大の卒論「フランスと移民」は、留学体験を通し理想と現実のはざまで混迷を深める現在のフランスを論じた。

 岡田さんは「家族の思いを正直に書いている。私たちを知らない人でも、何かを感じてもらえるのではないか」と話す。

 B5判、73ページ。問い合わせは電話090(7999)9835、岡田さん。

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