来年春に卒業する大学３年生の就職活動が今月から解禁され、米子市では５日、大学、短大、専門学校などの学生らが参加する「日本海合同企業説明会」（新日本海新聞社主催）が開かれた。鳥取、島根両県の企業や団体など５８社が参加し、担当者が来場した学生らに企業の描く未来の姿や必要とする人材について説明した。
説明会は政府方針により、今月から来年春に卒業する今の大学３年生への企業説明会が解禁されたことに合わせて開かれた。
会場には各企業のブースが設けられ、学生たちを前に担当者がスライドやパンフレットなどを使い、基本的な業務内容や研修内容、今後の選考スケジュールなどを紹介した。
人手不足を背景に、初任給を引き上げる企業もあるなど、両県でも学生優位の「売り手市場」が続く。学生らは関心のある企業のブースを訪れ、熱心に説明に聞き入り、担当者に質問を繰り返していた。
松江市内の専門学校で情報技術を学ぶ増本優香さん（２６）は「就職のため学んでおいた方がよいスキルを知りたくて参加した。地元企業にたくさん選択肢があることが分かってよかった」と話した。
一方、参加企業からはインターンシップ（就業体験）制度などを利用して、職業に触れてほしいといった声も聞かれた。日野町で特別養護老人ホームなどを展開する日翔会の村上富美恵係長は「人を相手にする仕事なのでチャレンジ精神や思いやる気持ちのある人材に期待している。資格取得を応援する制度や関心のある人には就業体験を積極的に勧めたい」と採用への意欲を示した。
