県西部舞台の歌123曲収録 伯耆書院 冊子「ふるさとの謡」完成

 書家の森田尾山さん(82)=米子市淀江町=が主宰する伯耆書院(会員67人)は、鳥取県西部を舞台に作られた各市町村の歌や民謡、音頭、小唄を調べて冊子「ふるさとの謡(うた)」にまとめた。会員が図書館や公民館を訪ねて歌の存在や背景を確かめ、豊かな自然や人情を映し出す全123曲を収録している。

 西条八十が作詞した「鳥取ばやし」、野口雨情が書いた「皆生小唄」など歴史を刻んできた歌のほか、「妖怪サンバ」「米子城あげそげソング」など近年の歌も盛り込んだ。地域ゆかりの「じげ音頭」も並ぶ。曲ごとに作詞・作曲家の紹介や歌が作られた背景を説明した注釈を付けた。会員が足で稼いだ成果だ。

 会員による取材は2022年11月ごろにスタートし、昨年6月には約70曲の歌詞を書で表現した作品展を開いた。その後、さらに調べた歌を追加し、貴重な史料集ともいえる一冊が出来上がった。

 会員は「ふるさとの謡」の取材と並行し、県西部の街中にある会社、飲食店、商店などの筆文字スタイルで書かれた看板、表札を写真撮影し、歌詞の書展の併設展として披露。それぞれに趣がある書体の写真計154点も冊子に整理した。

 二つの作品展と冊子作りを企画した森田さんは「会員の皆さんが本当によく動き、聞き取りや交流をする中で冊子が完成したことは素晴らしい。ぜひ手に取って見ていただきたい」と話している。

 伯耆書院は二つの冊子を米子市立図書館と山陰歴史館に寄贈しており、両館で閲覧できる。

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