八頭町坂田の船岡小で、卒業式を前にした6年生に贈る読み聞かせの会が開かれた。図書ボランティアグループ全員が一冊の本を読む朗読リレーに、児童らは「いい思い出になった。中学校でも頑張りたい」と気持ちを新たにしていた。
卒業生に贈る朗読会は、統合前の旧隼小から行われていたボランティアグループの行事だったが、船岡小に統合され一度中断していた。「新船岡小になっても図書ボランティアの思いを届けたい」と再開され、2007年度から毎年この時期に行っている。
朝読書の時間、図書ボランティアグループ「ぶっくるん」(16人)は、6年生20人を前に静かな音楽が流れる中「12の贈り物」(シャーリーン・コスタンゾ作、ポプラ社)を一人一編ずつ、ゆっくり心を込めて朗読した。
「友情」「希望」など、誕生の瞬間に誰もが平等に授けられた「12の贈り物」について語られる愛にあふれるメッセージを、6年生たちは神妙な面持ちで聴いていた。
東郷彩実香さん(12)は「読み聞かせの方が選んでくれた本を、毎週楽しみにしていた。12のメッセージを忘れず、中学校でも頑張りたい」と目を輝かせていた。
「ぶっくるん」リーダーの谷口幸子さんは「地域に住む私たちからのメッセージとして受け止めてくれたらうれしい。中学校に行っても、船岡小学校の思い出を胸にいろいろなことにチャレンジしてほしい」とエールを送っていた。
ボランティアグループ「ぶっくるん」は年間を通して毎週木曜日、各学年に読み聞かせを行っている。