JA鳥取中央(上本武組合長)が所有するAコープトピア店(琴浦町徳万)が26日、閉店した。同JAはAコープ各店を昨年秋から順次閉店しており、同店が最後となった。県中部で約60年続いたAコープの歴史に幕が下ろされた。
前日からの在庫一掃セールでほとんどの商品が売り切れる中、この日も大勢の地域住民が来店した。午後5時からの閉店式では、店舗関係者が感謝を込めてお辞儀をし、買い物客らに別れを告げた。
同店の引き継ぎについては、東宝企業(倉吉市大正町2丁目)との交渉がまとまらず、店舗の利活用策は白紙の状態。路線バスを利用して買い物に訪れた町内の70代主婦は「車が運転できないので、代わりのスーパーが入ってほしい」と新たな店舗の入居を求めた。
最後の店舗が閉店し、同JAの向井敏弘専務は「一抹の寂しさを感じる」と心境を吐露。店舗の承継に関心を示している事業所があるとし、「地域住民が集まる拠点施設となるよう、継続利用してもらえる承継先を探す」と話した。
Aコープは1960年代に県中部9市町村(当時)の各農業協同組合直営店として開業した「生活センター」が前身。98年の同JA合併時(旧JAとうはく除く)には12店舗を展開していたが、県外資本の進出により店舗縮小を余儀なくされた。その後も慢性的な赤字が続き、同JAは昨年4月に全店閉店を決めた。