古典文学に親しむ 境港市民図書館 万葉集講座が大詰め

 境港市民図書館(同市上道町)の古典文学講座「みんなで楽しく万葉集を読もう」が、大詰めを迎えている。元高校教員の甲斐清明さん(81)=同市中野町=が講師を務める講座は、万葉集の最終巻「巻二十」に入っており、あと数回で完結する見通し。約20人の市民が受講し、古典文学に親しむ場となっている。

 甲斐さんは境港工業高(現境港総合技術高)の校長を最後に教員を退職し、同図書館長に就任した2003年4月、古典文学講座を開講。館長を退任した後も講座を継続し、8年前から万葉集に取り組んでいる。

 講座は原則月2回、同市上道町の市民交流センターで開催し、毎回約10首を選んで紹介。甲斐さんが歌を読み上げ、現代語に訳して解説している。3月16日は北九州の防衛に当たった防人(さきもり)の歌を取り上げ、過酷な旅や家族との別れを詠んだ内容に「リアリティーのあるため息が出るような嘆きの歌」「何とも言えない心境が伝わる胸を打つ作品」などと説明した。

 同市中野町の池淵靖夫さん(78)は「高校時代に古典が苦手だったので、学び直そうと受講している。分かりやすく、気軽に参加できるのがいい」と話した。

 「古代の日本人の心情が現代につながっていることを分かってもらえるよう心がけ、日本語の特徴や変遷も話している」と甲斐さん。歌の鑑賞だけでなく、日本特有の季節感も二十四節気を中心に紹介しているという。万葉集を終えた後は「枕草子」を題材にした講座を予定している。

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