「ふじ寺」として親しまれる鳥取県大山町古御堂の住雲寺で、フジの花が見頃を迎えている。薄紫色の房が藤棚から優雅に垂れ下がり見物客を魅了している。
吉本信裕住職(69)によると、フジは1961年に埼玉県春日部市にある天然記念物のフジの苗木を譲り受けて植樹され、現在は境内約600平方メートルに枝が広がり約6万房の花をつける。花房が六尺(約1.8メートル)まで垂れ下がることから通称「六尺フジ」と呼ばれ、毎年県内外から多くの見物客が訪れている。
今年は例年より数日早く4月17日ごろから開花し、ゴールデンウイーク中は見頃が続きそうだという。30日は小雨が降る中で傘を手にした見物客が次々と訪れ、境内に広がる甘い香りとともに、雨にぬれて色鮮やかになった花を撮影して楽しんでいた。吉本住職は「ここは花の数が多く、藤棚の下に立って楽しめるのが特長。今年も多くの方に見に来ていただければ励みになる」と話した。
同寺では日没から午後10時ごろまでライトアップも実施。3、4両日には恒例の「藤まつり」が開かれ、高校箏曲部の演奏や茶道部の茶席が見物客を楽しませる。