キノコの品種開発や生産振興を手がける日本きのこセンター(鳥取市富安1丁目)が、生産が拡大しつつあるキクラゲ新品種の販路開拓と消費拡大を目的に、完全子会社の「日本きのこセンター商事」(同市古郡家)を設立した。8月1日に業務を開始する。主力の原木シイタケの生産量が減少傾向にある中、「きのこ王国とっとり」を支える存在となるか注目を集める。
同センターの菌蕈(きんじん)研究所は約10年前、大手外食チェーン「リンガーハット」から菌床キクラゲの品種開発を打診され、「菌興AP1号」を開発。色が黒く肉厚で、収量が安定することから西日本を中心に生産が急速に拡大した。同社への供給が追い風となり、国内に流通する国産キクラゲの割合は、10年前の約2%から約13%にまで増えた。