以前この連載でも紹介した「男磨き界隈(かいわい)」との関連なのか、私のSNSには最近やたらとビジネス系インフルエンサーのショート動画が流れてくるようになりました。
明確な目標を持て、数字にこだわれ、メンタルを鍛えろ、NOと言うな、今すぐ動け─と、努力によって自分という資本の価値を最大限まで高め、会社に期待せず自分で成長していけというそのメッセージは、規制緩和や市場原理、自己責任を強調するような、いわゆる“ネオリベ”的発想で、「男磨き界隈」の主張とも重なる部分が多々あるように感じます。
そんなタイムラインの中でよく目にするのが「セルフパワハラ」という言葉です。これは、かつて外資系保険会社の営業マンとして活躍し、今は経営者としても名をはせる芦名優舗さんが広めたフレーズで、「自分で自分を追い込んで成長していく」といった意味合いで使われています。
いわく、今は上司から部下へのアドバイスがパワハラと受け取られてしまうリスクがあり、課題や欠点を指摘してもらうことも難しい。そんな環境下で成長するためには自分で自分を追い込んでいくしかない…というのが「セルフパワハラ」の発想です。
確かに説得力はあり...