半世紀の歴史を刻んで19日に米子市で開幕した「第50回米子がいな祭」は市民がつくり、楽しむ祭りとして、回を重ねるごとに新たな魅力をつくり出し、変化し続けてきた。今回、米子がいな太鼓や米子がいな万灯、ダンスのがいなCONでは、4年ぶりの通常開催を待ちに待っていた“のぼせもん”たちが躍動。音楽イベントや米子城形バルーンの展示なども見物客を楽しませた。
同祭振興会事務局によると、今年はがいなCON約100チーム、米子がいな太鼓13団体が出場。JR米子駅前通りやだんだん広場ではがいなCONのパフォーマンスが行われ、各チームがよさこいやヒップホップダンス、がいな音頭などを披露し、駅前は熱気に包まれた。
駅前ステージでは太鼓の演奏が行われ、各団体が威勢のいいかけ声とともに力強いばちさばきで観客を魅了。米子がいな太鼓二代宗家の仙田英人さん(56)は「コロナ禍を経て、第50回に向けてメンバーの気持ちがさらに一つになり、楽しく演奏できた」と息を弾ませた。
また、万灯と太鼓、ダンスが共演する「がいなコラボレーション」もあり、祭りムードを盛り上げた。湊山公園(同市西町)でも音楽イベントが開催され、山陰で活動するアーティスト6組が演奏した。
昨年は新型コロナウイルスの感染対策で、屋台の出店数縮小や食べ歩き禁止といった制限があった。今年は通常開催となり、出店数は昨年の約40店に対して計約240店と大幅に増加し、駅前通りは食べ歩きを楽しむ市民らでにぎわった。
このほか、50周年記念事業として、18日から国史跡・米子城跡に展示されている米子城形バルーンを見物する市民の姿も。枡形(ますがた)では米子城武者隊による甲冑(かっちゅう)の試着体験といったイベントもあった。
祭りを訪れた同市東福原6丁目の加藤益美さん(78)は「参加者も増えて人と人とのつながりの強さを感じる。これからも末永く続いてほしい」と感慨深そうに語った。