旧暦の桃の節句の31日、鳥取市用瀬町の千代川ふれあいの水辺で、男女一対の紙びなを乗せた桟俵を川へ流して1年間の無病息災を願う伝統行事「用瀬の流しびな」があった。晴れ着に身を包んだ地元の子どもたちが水辺に立ち、それぞれの願いとともにツバキや桃の花を添え、桟俵を川に流して見送った。
心身の汚れや災厄を紙びなに託して流し、健康や厄よけを願う、江戸時代から続く行事。「用瀬のひな送り」として県無形民俗文化財に指定され、2021年3月には国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選ばれた。
着物姿で初めて参加した、同町川中の田中凛ちゃん(4)は「みんなが元気に過ごせますようにとお願いした」と笑顔で話した。
流しびなや神事のほか、会場周辺では各家庭によるひな飾りの公開、ひなづくり体験、茶席などもあり、観光客などでにぎわった。