米子市写真家協会会員の寺沢敬人さん(68)=境港市=が元日、島根半島の松江市美保関町惣津から日本海の上空に現れたオーロラと思われる赤い明かりを撮影した。
前日から太陽の表面で起きる爆発現象「太陽フレア」が活発化しているという情報を踏まえ、1日の未明と夜、惣津海岸を見下ろす県道脇の展望台にカメラを構え、真北の方角を狙った。
肉眼では見えなかったが、カメラのファインダーを通して見ると、雲の上の部分が赤っぽく、日本で観測される「低緯度オーロラ」のように見えた。「海にはいさり火もなく、空の上の方まで赤く見えたので、オーロラ以外には考えられない」と寺沢さん。
低緯度オーロラの撮影事例の豊富な「なよろ市立天文台」(北海道名寄市)によると、低緯度オーロラは必ず北側に出現し、この時間帯に他の地域でも観察されているとし、写真から低緯度オーロラの可能性は高いと見る。
星空撮影が趣味で、昨年夏にはフィンランドにまで撮影に出かけたという寺沢さん。「昨年から今年にかけて11年周期の太陽の活動期に入っている。タイミング、条件が合えば、山陰でもオーロラを撮影できる」と話している。