米子天満屋(米子市西福原2丁目)で開催中の「第39回春の山陰民窯展」(実行委員会、新日本海新聞社主催)では、出展者の手ほどきで作品を作る「陶芸体験」が人気を集めている。未経験の記者が挑戦し、陶芸の奥深い世界に触れた。
講師は、法勝寺焼皆生窯(同市皆生温泉2丁目)の三代目、安藤青磁さん(42)。今回は拳大の球状の粘土を手動のろくろを使って成形する技法「玉作り」で、記者が最近はまっている麦焼酎をたしなむためのカップを作った。
粘土の中心をくぼませてろくろに押し当てて底を作る。側面は指の腹を使って粘土を寄せて少しずつ高く伸ばす。だんだんカップの形に近づくが、側面の厚みを均一にするのが難しい。
悩みながら作業をしていると、「大胆かつ繊細に」と安藤さん。思い切りろくろを回して形を整えると、こつをつかむことができ、理想の高さまでなんとか持ち上げることができた。
安藤さんの職人技で修正してもらいながら、納得のいく仕上がりとなった。カップをひもで慎重に切り離し、大きな失敗なく約1時間の作業が終了。初めてでも楽しみながら制作に取り組め、また挑戦したい意欲が芽生えた。
焼き上がるのは約2カ月後。桜の開花とちょうど重なりそうだ。花見をしながら、このカップで一杯やるのを楽しみに待ちたい。
◇春の山陰民窯展は27日まで。陶芸体験は26日まで毎日午後2時から。