「第15回地域再生大賞」で、新日本海新聞社が鳥取県から推薦した「米子観光まちづくり公社」(米子市灘町1丁目、川越博行理事長)が優秀賞を受賞した。米子市中心市街地に開設した築約160年の町家である「米子まちなか観光案内所」を拠点にした観光ガイドやまちづくりの取り組みなどが評価された。
同公社は2018年設立。「絶景の城」として親しまれる国史跡・米子城跡や城下町の観光ガイド、和文化体験を提供するほか、米子まちなか観光案内所では米子城関連の御城印や武将印などを販売する。
もともと同公社は、中心市街地に残る町家・町並みの保存が目的で設立された。14年の調査で700棟以上あった伝統的町家が取り壊されていくことに危機感を覚え、城下町を生かした観光で地域に活気を取り戻そうとした。米子まちなか観光案内所は地域のミニ公民館的存在でもあり、まちづくり関係者や市民が訪れるネットワークの拠点となっている。
米子鬼太郎空港を発着する国際定期便は、運航中のソウル、香港便に加え、今春にも台北便が就航予定。訪日客の受け入れも期待できる。
川越理事長は「ガイドや運営ボランティア、城下町の皆さんの協力があっての受賞」と感謝。「中心市街地の発展は、米子城跡をはじめ、町家や小路、地蔵など歴史的都市資源の活用が不可欠。ようやく光が少し見えてきたが、実現に向けてさらに取り組んでいきたい」と意気込んだ。