鳥取市気高町出身の版画家、岩垣正道さん(84)の個展が鳥取市栄町のギャラリーたくみで開かれている。シンプルで大胆な構図、鮮やかな色使いによる山陰をモチーフにした版画作品が会場を彩っている。17日まで。
岩垣さんは曹洞宗毎来(まいらい)寺(岡山県真庭市)の住職で、1976年に同寺に入山したのを機に独学で版画作りを始めた。寺は現在、天井やふすまなど至る所に約300点の作品を展示し、“版画寺”として知られる。
今展では鳥取を色鮮やかに描いた新作を中心に約80点を展示している。「山陰海岸」は赤、青、黄色のコントラストが美しいモダンな一点。「砂丘・海・空」はピンク、青、黒の3色で砂丘の風景を個性豊かに表現した。
岩垣さんは「今回は明るい山陰を描きたかった。版画独特の味わいとともに、見る人によっては明るく見えるのだと感じてもらえればうれしい」と話した。