台風7号の接近に伴い、JR中国統括本部は14日、山陰地区を発着する特急や一部線区を15日から16日にかけて計画運休すると発表した。15日は特急「スーパーはくと」「スーパーいなば」「はまかぜ」「サンライズ出雲」の全便が運休、「やくも」は同日午前7時以降順次、運転を取りやめる。台風がUターンラッシュのピークに直撃した形で、JR各駅は14日、早めに移動する人であふれた。
同本部によると、15日は特急「スーパーまつかぜ」「スーパーおき」も同8時以降順次、鳥取-米子間で運転を取りやめ。因美線、山陰線(浜坂-米子間)、伯備線(米子-新見間)の普通列車も順次、運転を取りやめる。16日も「スーパーはくと」「スーパーいなば」「はまかぜ」「やくも」は始発から運転を見合わせる。
JR米子駅では14日、Uターンを早め自由席券などを求める帰省客や観光客で混雑した。みどりの窓口には行列ができ、駅員が対応に追われた。
東京から夫婦で観光に訪れた薄龍興さん(54)は15日に帰宅する予定を1日早め、航空便からJRに変更。本来は鳥取砂丘まで足を延ばす予定だったといい「仕事の都合で延泊はできないので」と残念がった。
愛知県から子ども2人を連れて米子市に帰省していた峰岸美緒さんも、予約していた15日の夜行バスの運休通知を見て、急きょ「やくも」の自由席特急券を購入した。1日早まった帰宅に「頻繁には帰省できないので、もう少しゆっくりしたかった」と話し、両親に見送られながら名残惜しそうに電車に乗り込んだ。
全日本空輸は、15日の鳥取-羽田便を計7便運休。出発を予定している便についても、急きょ遅延や欠航となる恐れがあるとしている。高速バスは日本交通が鳥取、倉吉、米子-大阪・神戸線と米子-京都線を、日ノ丸自動車が鳥取-姫路線を全便運休する。