台風7号による大雨の影響で、鳥取市河原町中井の窯元「因州・中井窯」も浸水し、登り窯や燃料のまきに被害を受けた。16日はボランティアなど約15人が駆け付け、作業場の泥を洗い流す作業などに追われた。
15日午後になって、隣を流れる曳田川が急激に水かさを増し、越水してきた泥水が、作業場などに流入したという。作品に被害はなかったが、作業場が泥水で汚れたほか、登り窯や積んであったまきが約40センチの高さまで泥水に漬かった。
同窯元の坂本章さん(58)は、作業場の出入り口に土のうの代わりに粘土を積んで水を防ごうとしたが「膝くらいまで来た。身の危険を感じた」という。
ぬれたまきはシロアリが発生したり、腐ったりするため取り除く必要があるが「登り窯のれんがは乾かせばいいのか。作品がうまく焼けるか分からない。こんなことは初めてで、できることからやるしかない」と坂本さんは肩を落とした。