10月1日に鳥取県中部で行われる第43回日本海駅伝競走大会(鳥取陸上競技協会、新日本海新聞社主催)と南部忠平杯第38回くらよし女子駅伝競走大会(倉吉市、鳥取陸協、同社主催)に鳥取育英がオープン参加する。部員数減少で当初は欠場も考えたが、「伝統をつなぐ」という選手らの熱意から出場にこぎ着けた。地元の声援を背に受け、熱走を繰り広げる。
鳥取育英は全国高校駅伝で準優勝を果たした経験がある古豪だ。日本海駅伝の発足に当たっては当時、由良育英の横山隆義監督(鳥取陸協元会長)が全国の強豪校に呼びかけてスタートさせた経緯がある。
かつては長距離選手だけでも30人以上所属していたが、近年は部員獲得に苦しんでいる。本年度は男子7人、女子5人の長距離選手がそろわなかった。
駅伝シーズンに向け、男子は短中距離選手、女子はバスケットボール部員の応援を検討。準備期間も考慮して今大会を回避した上、10月29日の県高校駅伝に照準を絞る予定だったが「育英の名前で倉吉で走りたい」という部員らの強い要望で方針を変更した。
登録などの関係上、男女とも今回は順位のつかないオープン参加となる。男子の北村斗主将は「地元の人の応援を背に走れることは幸せ」と強調。女子の上野涼夏主将は「大会に出場できることに感謝して全員でたすきをつなぐ」と意気込む。
同校に今春赴任した定常監督と外部指導者の山根コーチが長距離選手の育成に努めている。定常監督は「今年が鳥取育英のリスタートの年となるように全力を尽くす」と古豪復活に意欲を示す。
(椎葉直)