復活期し1200点丁寧に 母里窯で地区住民ら窯出し

 後継者が不在の安来市伯太町東母里の母里窯で、焼き上がった作品の窯出しが行われた。地区住民ら20人が登り窯の中から約1200点を一つ一つ丁寧に運び出した。

 同地区には江戸末期に藩が始めた「母里焼」の窯元が多くあった。現在の母里窯は1889年に稲垣家が創業。2013年に5代目が亡くなり、窯の火が途絶えたが、地区住民らが復活を願って昨年から窯を利用したイベントを始めた。

 今年は園児から大人まで地区内外の435人が陶芸教室などで作品作り。窯には10月14、15両日、火を入れた。同28日の窯出しでは、住民らが列をつくって焼き上がった作品を手渡しで運び出し「いい色になった」「かわいい」などと作品の出来に声を上げた。

 皿や花器、コップなどの日用品が中心で、わらをかけて焼いた「ひだすき」模様の作品もあった。イベント実行委員会の稲田郷会長(78)は「試行錯誤しながら窯の特性をつかみたい。後継者に限らず、共同でも窯を利用してくれる人があれば」と話した。

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