澄み渡った鳥取の夜空を覆う、きらめく天蓋(てんがい)。「星取県(ほしとりけん)」をうたう鳥取県の先導者となる「星空案内人」が着実に育っている。本年度は高校1年生の県内最年少者を含む第3期生8人が新たに準案内人の認証を受け、案内人は計25人にまで増えた。星空の魅力を発信し、かけがえのない古里の財産として次代に引き継ぐ。
星空案内人は、NPO法人「星のソムリエ機構」が運営する民間資格で、全国の民間団体や行政、教育機関が講座設置団体として登録。実技を含む年5、6回の講座を経て準案内人、さらに専門的な講座や実地ガイド試験などに合格すれば、正案内人に認証される。9月10日現在、正準合わせ、全国で7288人が資格を持つ。
県は2017年、豊かで美しい自然の象徴である星空を古里の重要な景観と位置付け、観光や地域経済振興、環境教育などに生かすために独自の星空保全条例を施行した。観察会などでガイドや講師を務める星空案内人の育成はその一環で、21年に10人、22年に7人が認証を受けた。