鳥取県境港市の境港に25日、スイス船社「MSCベリッシマ」(17万1598トン、乗客定員5686人)が初寄港し、日本人を中心とする乗客2107人が山陰の観光を満喫した。境夢みなとターミナル(同市竹内団地)などでは、高さ67メートル、全長約316メートルという国内に寄港するクルーズ船では最大級の規模を誇る同船の迫力ある光景を見ようと大勢の見物人が集まった。
ジャパネットグループによる横浜港発着の12泊13日のチャーターツアーの行程で寄港し、境港には午前7時半ごろに入港。岸壁では郷土芸能などが披露され、ターミナル内では約15店による観光案内や物品販売などが展開された。乗客の堀津ひろ子さん(74)=大阪市=は「朝からこんなに大々的に歓迎を受けたのは初めて」と笑顔。船内での式典では、平井伸治鳥取県知事や伊達憲太郎境港市長らがあいさつして船側に記念品を贈り、歓迎した。
乗客のうち約900人はバスなど24台で鳥取砂丘や倉吉白壁土蔵群、出雲大社などを巡る10ツアーへ出発。フリー客は無料のシャトルバスや連絡バスで水木しげるロードや皆生温泉に向かった。
同船は、境港に寄港したクルーズ船の中で最大のトン数を誇り、ターミナルに隣接する夢みなとタワー(43メートル)よりも高い。見物に訪れた人たちは、船体に驚嘆し、熱心に写真に収めていた。家族ら5人で訪れた境港市渡町の団体職員、加藤弘晃さん(47)は「写真に収まらないくらい大きい。下船した人にお薦めの温泉を聞かれ、そういう交流も楽しい」と話した。同船は午後5時ごろ、韓国・釜山に向けて出港した。
境港管理組合によると、同船は7月7日と8月21日にも境港に寄港する予定。