鳥取県日野町菅福地区で3日夜、江戸時代から続く伝統の奇習行事「ホトホト」が行われた。みのかさをまとった神の使いに扮(ふん)した男衆が、厄年を迎えた人の家を訪れ、住民らから冷や水を浴びせられて厄を払った。
神の使い「ホトホト」が、厄年を迎える人がいる家に、わらで作った馬など縁起物を届け、帰りに住人から水を浴びせられることで厄を流し、無病息災を祈る。昭和30年ごろに一度は途絶えたが、2002年に住民有志らが復活させた。
今年は4件が対象で、辺りが暗闇に包まれる中、ホトホト役の男性5人が「ホトホトー、ホトホトー」と唱えながら、家々を訪問。待ち構えた家人や近隣住民らがバケツにためた水を次々に浴びせかけた。
同町上菅の水谷克正さん(59)は「貴重な経験になった。無事に厄を落とすことができて喜んでいる。けがと病気のない1年にしたい」と話した。