韓国の旧正月に合わせて運航される米子-ソウル間のチャーター便が27日、境港市の米子鬼太郎空港に到着した。韓国の大手旅行会社ロッテ観光が企画したもので、ソウル便の定期運航がない月、木曜の2往復運航される。初日の米子行きは満席で、定期便の増便を目指す鳥取県は、今回の運行実績を今後の交渉の足がかりにしたい考えだ。
米子-ソウル間のチャーター便運航は2023年4月以来。韓国では今年は最大9日間の大型連休になることもあり、到着ロビーは多くの親子連れなどでにぎわった。
空港では関係者と着ぐるみの鬼太郎らが、乗客に記念品を手渡し、来県を歓迎した。ツアー参加者は3泊4日で三朝温泉や皆生温泉に宿泊し、鳥取、島根両県の観光地を巡る。
親子3人で訪れた姜大雄(カンデウン)さん(48)は「山陰は訪れたことがなく、楽しそうな場所だと思って旅行先に選んだ。温泉や水木しげるロードを訪れ、日本の文化に触れたい」と話した。
県によるとチャーター便には195人乗りの機材が使われており、この日は米子行きが満席、他空港からのツアー客や日本人旅行客が利用した折り返しの便の搭乗率は91・8%だった。
一方、今回のチャーター便により、米子発着のソウル便は連続5日間運航される。定期便のデーリー化を目指す県は、今回の実績を運航するエアソウルとの交渉に役立てたい考え。この日、歓迎の輪に加わった平井伸治知事は「ほぼデーリーの姿を実現できたのは、経営陣に訴えかける上で大きなインパクトになる」と述べ、あらためて増便への意欲を示した。