ひつぎの中の家族のほほ笑みを描いた絵画作品「幸せの棺（ひつぎ）」を米国で展示した大山町高橋の福留信子さん（５２）が４月２８、２９両日、同町退休寺の金龍山退休寺で初の個展を開いた。同寺で花祭りが執り行われる中、会場となった観音堂には同作品を含め約３０点が展示され、来場者を温かな雰囲気で包み込んだ。
福留さんは夫と獣害用電気柵販売業を営みながら独学で絵を描き、新人発掘の公募展で入選した同作品を今年２月に米国で展示。亡くなった母や父の顔を「最後のギフト」として描き、仏教の「五色」を組み合わせて天に昇る場面を表現しており、現地で多くの共感や評価を得たという。
同寺での展示では来場者がじっくりと作品の表情に見入った。横たわった福留さんに絵の具で色を塗るアート企画も行われた。福留さんは「個展というより“みんな展”。感謝を伝えたい人たちが来てくれた」と振り返った。今後は同町のコミュニティースペースまぶやと中山公民館でも展示し、米国で体感した「対話型鑑賞」を広めていくという。
