地元住民から「椿(つばき)の森」と呼ばれ親しまれている琴浦町別所の山林で11月30日、親子で水彩画を描くイベントがあった。参加者は森の中を散策してモチーフを探し、自然の美しさや多様性を感じながら写生を楽しんだ。
同所は加藤三良右衛門(さぶろうえもん)さん(故人)が4・5ヘクタールの土地に数千本のツバキや庭木を植栽して造った庭園。2019年に加藤さんが亡くなった後も地元有志が管理し、今年2月には土地後継者も加わり「後世に伝える会」が発足した。同会が森を維持しながら、自然観賞会などを開いている。
この日は21人の親子連れが参加。森の中に入って紅葉したドウダンツツジや赤い実を付けたナンテンなどを見つけると、その場にレジャーシートを敷いて写生した。講師を務めた地元画家、佐伯恵美子さんは「紙からはみ出るぐらい大きく描いて」などと助言していた。
落ち葉のじゅうたんを描いた三朝町穴鴨の河村美羽ちゃん(5)は「葉っぱをたくさん描くのを頑張った」と笑顔。加藤さんの孫で同会役員の知久馬志穂さん(44)は「この環境を残し、誰もが自然と触れ合える場所にしたい」と話した。