皇族の「意思表明」はどこまで許されるのか

  •  現代象徴天皇制の研究で知られる名古屋大大学院准教授の河西秀哉さん

 秋篠宮が11月30日、59歳の誕生日を迎え、それに先立ち、記者会見を行いました。秋篠宮は「皇族は生身の人間」であり、宮内庁は皇族がどういう考えを持っているか知っておく必要があると発言し、波紋を広げています。これは、皇族数確保に関する与野党協議について問われた際の発言でした。なぜこれが問題になり、話題となるのでしょうか。今回は、天皇や皇族の意思と、それを表明することの是非について考えてみたいと思います。

 ▽これまでにも意思表明した秋篠宮

 記者会見をはじめとする皇族の発言は、たびたび波紋を広げてきました。秋篠宮も2018年の誕生日会見で、即位にともなう大嘗祭(だいじょうさい)について、「身の丈にあった儀式にすれば」と発言し、政府は公費を支出すべきでないと述べました。しかも、宮内庁長官などに何度も言ったにもかかわらず「聞く耳を持たなかった」とも言っています。宮内庁への批判は、今回の記者会見と同じ論理を展開したものです。

 大嘗祭は即位した天皇が最初に行う新嘗祭(にいなめさい)のことで、即位儀礼のなかでも重要な儀式の一つです。その宗教性ゆえに公費で負担するかどうかは議論が分かれるところですが、...

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