列車内で起こる凶悪事件に対処するため、JR西日本鳥取鉄道部と鳥取県警、鳥取消防署は27日、JR鳥取駅で不審者対応の訓練を実施した。米子方面へ発車した直後の車両内で、刃物を持った不審者が乗客を切りつけるとの想定で、参加者約30人が犯人役の制圧や乗客の避難誘導などの手順を確認した。
列車内や駅構内での凶行は後を絶たず、JR西日本管内では7月23日、大阪府泉佐野市のJRりんくうタウン駅で刺傷事件が発生。事件を受け、関係機関の連携を改めて確認するため訓練を企画した。
駅員らはかばんや盾を用いて距離を取り、「落ち着いてください」などと犯人役を説得。安全を確認しながら乗客をホームへ誘導した。駆けつけた消防署員は手際よく負傷者を救護し、警察官は刺股などを使って素早く犯人役を取り押さえた。
鳥取鉄道部の谷口雅則運輸科長は「今後も繰り返し訓練を行い、非常時の対応力向上につなげたい」と気を引き締めた。