御利益〝お墨付き〟 松江・美保関で「墨つけとんど」

 漁業の町として栄えた松江市美保関町片江地区で12日、顔に墨を塗って無病息災と大漁を願う伝統行事「墨つけとんど」があった。地区住民や観光客らはもれなく顔が真っ黒になり、海辺の町はにぎやかな歓声に包まれた。

 同地区で250年以上続く行事。墨を付けられると1年間風邪をひかず、海難に遭わないなどの御利益があるとされている。

 地区内の方結(かたえ)神社で「塗り役」の女性たちが、炭とお神酒を混ぜて作った墨を手に、法被を着た男衆や見物客らの顔に次々と墨を塗り付けていった。神事が営まれると、男衆が「チョーサダー、チョーサダー」と威勢良くかけ声を上げながら、みこしを担いで地区内を練り歩き、海岸に立つとんど飾りの周りを回り、みこしと一緒に海へ。新婚など祝い事のあった家の男を海に放り投げる一こまもあった。

 地元自治会主催の墨つけとんどフォトコンテストもあり、会場周辺では多くの写真愛好家がシャッターチャンスを狙って待ち構えていた。松江市菅田町の山本正男さん(66)は「フォトコンテストに出品しようと思っているのでいい写真を撮りたい」と話した。

この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事