スクールドッグと呼ばれる犬との触れ合いを学校教育に生かす意義を学ぶ講演会が1月29日、米子市東福原5丁目の福米東小で開かれた。学校に犬を派遣し「動物介在教育」を実践する日本スクールドッグ協会代表理事の青木潤一さん(41)が講演し、相手を思いやる心を養うスクールドッグの取り組みを紹介した。
講演会は動物介在教育について理解を広げようと、同小PTA学校教育部が企画した。
青木さんは元中学教諭で現在、岡山県西粟倉村を拠点にスクールドッグを普及する活動を展開している。そのきっかけとして、教員時代に不登校になった生徒と向き合った経験を挙げ、犬と触れ合う機会を設けたことが「生徒の笑顔を生み、居場所づくりにつながった」と振り返った。
その上で現在の子どもたちが自己肯定感が低いことを指摘し、原因を「常に物差しで評価され、他人と比べられるため」と分析。言葉を発することなく寄り添う犬の存在が「自分は自分で良いという肯定感につながり、動物を相手にすることで相手を思いやる心を育てる」と強調した。
会場では実際にスクールドッグと触れ合うためのテントが設けられ、参加した親子が優しい手つきで犬をなで、笑顔を見せていた。
(川口耕)