地元住民に「椿の森」として親しまれている琴浦町別所の山林で、ツバキの花が見頃を迎えている。5日は前日までの雨が次第に弱まり、雨粒をたたえていじらしく咲く花が訪れた人を魅了している。
椿の森は、故加藤三良右衛門(さぶろうえもん)さんが所有する約5ヘクタールの土地に数千本のツバキを植えて手作りした庭園で、約800種類あるという。ほかに、ハンカチノキやハンゲショウなど多彩な庭木と草花が植えられている。
2019年に加藤さんが亡くなってからは地元有志が管理を手伝い、現在は加藤さんの孫の知久馬志穂さん(44)が家族で同所に移住して整備している。今年は2月下旬から小型の「紅侘助(べにわびすけ)」や薄い桃色の「太郎冠者(たろうかじゃ)」が開花。知久馬さんは「これから他の種類も次々と咲き、しばらく楽しめる」と話した。
同所は知久馬さんの私有地で、好意で開放されている。9日には同所で「椿まつり」が開かれる。