不気味さ逆手に町PR 話題の“朽ちた「学童看板」”グッズ化

 岩美町内の道路沿いに数カ所、学生服姿の少年の古い鉄製看板が設置されている。通称「学童看板」。用途不明で、さびなどで劣化も進んでいる一見不気味な看板だが、これを地元企業が缶バッジにして商品化したところ、交流サイト(SNS)で話題を呼んだ。町内に点在する不気味な学童看板が新たな観光促進につながるか。関係者は期待を寄せている。

 


 缶バッジを製造販売したのは「サンテック」(同町浦富)の山本健太社長(44)。「朽ち果てた学童看板缶バッジ」(直径54ミリ)と名付け、全6種類を商品化。さわやかな青空を背景に、山本社長が町内4カ所で見つけた“朽ち果てた”看板がプリントされ、おどろおどろしさが際立っている。

表面

裏面

 

 「商品で看板の存在を知り、おもしろおかしく見に来る人が増えれば観光促進にもつながる」と山本社長。町内にたたずむ看板は表裏同じデザインだったとみられるが、設置場所によって、表裏でもさびで真っ黒になっているものや、目や口がかろうじて分かるものなど、朽ちている度合いが違うのが特徴だ。

 商品化のきっかけとなったのは、インフルエンサーが看板の写真をSNSに投稿し、拡散されたことだった。岩美町をPRするネタを探していた山本社長は「商品化すれば話題になるかもしれない」と考え、1月から店内や道の駅きなんせ岩美で缶バッジの販売を開始した。

 地元で育った山本社長だが、「看板の存在は知っていたが生活する中で特に気にしたことはなかった」という。商品化にあたり設置者に了承を得ようとしたが、看板には手がかりはなかったため、町に相談。兵庫県姫路市内の業者が設置したことが判明したが、問い合わせに対して、担当者からは「設置は半世紀以上前だと思うが、分かる人は誰もいない。好きにしてもらえば」と言われた。

 結局、看板の用途や設置時期などは分からないままで、不気味さがより増す結果となったが、山本社長は「『気持ち悪い』『怖い』などと広まることで商品をきっかけに町を知ってもらえる」と強調する。

 「見つけた4カ所以外にもあるかもしれないので、観光ついでにぜひ探してみてほしい」と話した。

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