自死への差別、苦しい 遺族が訴え 鳥取でフォーラム

 第12回とっとり自死遺族フォーラムが8日、鳥取市尚徳町のとりぎん文化会館で開かれた。全国自死遺族連絡会代表の田中幸子さん(74)が講演し、「遺族は自死への差別に苦しんでいる」と訴えた。県内外の自死遺族や地域の民生委員ら約50人が聴講した。

 田中さんは、差別に苦しむ具体例を紹介した。1人暮らしの娘がアパートで自死した遺族が不動産業者から5年分の家賃補償と改修費計800万円を請求されたり、自死した息子の遺族が救急病院に駆けつけたところ死体検案料13万7千円の請求を受けたりしたケースがあったという。

 こうした理不尽な扱いを無くすため、全国自死遺族連絡会として差別撤廃を求める法制化に取り組んでいると説明し、「自死遺族の声を国に届けていく」と決意を語った。

 とっとり自死遺族自助グループ「コスモスの会」世話人の厨子麗子さん(72)は「一人ずつの困り事を一つずつ解決する思いでフォーラムを続けている」と呼びかけた。

 1年前に元同僚が自死したという県内の40代女性は「自死への差別はあってはならない。自死ゼロを目指すのはもちろんだが、遺族の苦しみ、悲しみを受け止める社会であってほしい」と話した。

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