名物「花氷」絶やさぬ あす鳥取 土曜夜市の出番待つ

 鳥取市の夏の風物詩、土曜夜市(鳥取本通商店街振興組合主催)の4年ぶりの開催に向けて、氷柱の中に鮮やかな花を咲かせて市民の目を楽しませる「花氷(はなごおり)」の準備が進んでいる。まだ日中の熱が残る夕方のそぞろ歩きに涼を感じさせる花氷は、昭和30年代から続く夜市の名物。今年は、夜市初日の22日から8月12日まで毎回、高さ50センチ、幅・奥行きとも25センチの花氷が2本ずつ登場する。

 米子市旗ケ崎の製氷会社「市場製氷」が製造を手がけたが、花氷の製氷には1週間程度の時間がかかり、電気代などの製造コストがかさむという。溶けにくく透き通った氷を作るために専用の設備や手間も必要で、受注する地元業者は減少の一途。高騰する電気代が追い打ちとなり、地元産の花氷は今や「絶滅危惧種」だ。

 これまで県内イベントの花氷などを作ってきた同社も、今年は受注を控えていたが、「夜市用の花氷だけは」と頼み込まれ、電気料金が夏季料金になる7月までに、何とか製造にこぎ着けた。

 同社の南順三社長(63)は「貴重な花氷を久しぶりの夜市とともに楽しんでほしい」と話すとともに「世の中がコロナ禍から本格的に回復し、またたくさんの花氷が作れるようになれば」と願う。

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