本紙文化面で7月までコラムを執筆した講談師の四代目玉田玉秀斎さん(46)=大阪府=を講師にしたワークショップが3日、安来市飯島町の市総合文化ホール・アルテピアであり、市民ら10人が地元の民話を題材に講談の魅力を学んだ。
玉秀斎さんは「講談は、赤穂浪士の討ち入りをはじめとして我慢の世界で説明的。落語は人間の欲望に正直で必ず落ちがあり、人物になりきって演じる」と両者の違いを解説。「大きな声で大げさに演じること。擬態語などオノマトペを上手に使えば、映像がなくても聴衆の心をつかむことができる」と話芸のこつを披露した。
地元の民話「神在月の十神山」を例にとり、「1人残さず聴衆に気持ちよく聴き終えてもらうには、繰り返し丁寧に状況を説明しながら話を進めることが大切」と強調した。
同市安来町の会社員、板垣学さん(48)は「行事などで講談ができるようになれたら」と話した。玉秀斎さんは「講談が知的好奇心の扉を開くきっかけになれば」と期待した。
ワークショップは同ホールの主催。玉秀斎さんや落語家の桂弥っこさん、城郭考古学者の千田嘉博氏を出演者に、10月22日午後2時から同ホールである寄席「山中鹿介物語」の盛り上げを図ろうと開いた。