日本海NEWSダイブ 若松クロム鉱山探訪記(上) 山奥に眠る“日南の宝” 進む荒廃、老朽化の波

  • 閉山から20年以上が経過した建物は年相応の傷みが目立つ=日南町湯河
  • 山の斜面に沿って連なる工場群。「天空の要塞」の異名にも納得だ
  • 比重選鉱機はそれぞれ形状が異なる。「10」「11」の数字が付いた選鉱機(手前右)は若松鉱山の象徴でもある
  • 坑道は全て閉鎖されているが、特別に入れてもらった。坑道の奥からはひんやりとした冷気が流れてきた
  • 自家発電機で動かしていたコンプレッサーは坑道内に圧縮した空気を送り込む機械。建屋は壊れ植物の浸食を許している

 坂道を登ると、山肌にへばりつく工場群が現れた。木造建屋の屋根は所々が剥がれ、巨大な産業機械が鎮座する屋内に日光や雨が容赦なく注ぎ込む。草木にのみ込まれてしまいそうな廃虚だが、美しさすら感じるから不思議だ。鳥取県日南町多里に注ぐ若松川の上流に、若松鉱山(同町湯河)は眠る。約1世紀にわたりクロム鉱石を産出し町を活気づけた鉱山は2001年の閉山以降、ほぼ手つかずの状態。近年は荒廃のスピードを加速させている。

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