JR山陰線の豊岡駅近くに兵庫県立芸術文化観光専門職大(芸文観光大)は位置する。初代学長に就いた平田オリザさん(59)は、豊岡演劇祭のフェスティバルディレクターでもある。いわば「演劇のまち」の顔だが、昨年4月の豊岡市長選で、渦中の人になってしまった。演劇のまちを推進した現職市長が敗れ、当選した新人市長が「演劇のまちにはしない。演劇もあるまちに」と方向転換を打ち出したからだ。学長室を訪ね、インタビューを進めると、「オンリーワンでなければ人材も資金も集まらない」と特色ある町づくりの重要性を説いた。東京から豊岡へ移り住み、“アウェー”に立つ決意でもあった。(聞き手は論説委員長・深田巧)