人口が減少する中山間地域で新たな地域公共交通の仕組みが模索される中、バス・トラック製造大手の日野自動車(本社・東京都日野市)が1日、鳥取市浜坂の「SAND BOX TOTTORI」内に地域交通のオペレーション拠点を開設した。智頭町乗り合いタクシーの運行管理を遠隔で実施するほか、同町での実績を踏まえて中国・近畿地方の自治体にも地域交通のノウハウを広げる拠点とする計画だ。
「今朝の体調はいかがですか」。同社鳥取オフィスの川田尚侑さん(31)がパソコン画面のドライバーに尋ねた。体調や服薬、飲酒の有無、車両の日常点検結果などを聞き取り、システムに打ち込んでいく。
智頭町では今年4月、乗り合いタクシー「のりりん」が運行を開始した。地域住民が自家用有償旅客運送(白ナンバータクシー)の登録ドライバーとなり、依頼を受けて町内を走行する。乗務前後の点呼などは記録が義務づけられており、同社はこれらの運行管理や勤務シフト作成などを受託。今年4月から試験的に運用、7月から本格稼働した。同社によると、運行管理を専門で受託する民間企業は全国で初めてという。