【論考】補選結果を問う 政局流動化の引き金に

 衆院長崎4区と参院徳島・高知選挙区の補欠選挙は22日投票が行われ、長崎は与党、徳島・高知は野党系と「1勝1敗」に終わった。守りの選挙を強いられた与党は辛うじて面目を保ったが、岸田政権へのダメージは大きい。マスコミ各社の世論調査でも支持率が軒並み最低に落ち込み、解散どころか、岸田文雄首相の再選さえ危ぶまれる。政局は一気に波乱含みの展開になりそうだ。

 与党側の苦戦は一にも二にも物価高対策の失敗にある。岸田首相は選挙直前に所得税減税を表明したが、選挙対策が見え見えで与党内からも批判が出る始末だ。

 岸田政権にとっての痛手は補選の結果だけではない。支持率が内閣発足以来最低を更新し続けていることだ。共同通信の調査では支持するが前回9月の調査より7・5ポイント下がって36・3%。これに対し、不支持率は52・5%と前回から12・8ポイントもはね上がり、過去最高に達した。とりわけ朝日新聞(29%)、毎日新聞(26%)では“危険水域”といわれる30%を割り込んだ。9月の内閣改造の効果もなく、支持率の低下に歯止めがかかっていない。

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