JR鳥取駅から車で約50分の鳥取市佐治町尾際(おわい)で、集落内に唯一ある個人商店が、地域食堂として新たなスタートを切った。商店の一角を利用し、週2回は住民が集うセルフ方式のカフェに、月1回は食堂としてオープンする。過疎化が進行し、高齢化率が7割を超える同集落で、孤独・孤立対策を兼ねた新たな居場所として期待が集まる。
食堂に変身する「福安商店」は、同町中心部から国道482号を岡山方面へ7キロほど進んだ尾際集落にある。店主の福安栄子さん(86)が親から経営を引き継いで50年以上経過し、生活インフラとして住民に愛されてきた。
食堂を始めたのは、栄子さんの息子、修さん(65)の妻、ローレルアンさん(61)だ。「カレーしか作れないけど」。鍋いっぱいのカレーを容器に入れながら、ちゃめっ気たっぷりに笑う。