鳥取県庁前のとりぎん文化会館や県立図書館近くには、鳥取県の教育の原点を物語る石碑や記念碑、胸像などが点在している。江戸時代から明治にかけて教育に精力を傾けた鳥取の先人たちの足跡を追って、ぶらり歩いた。
若桜街道と国道53号の角に巨大な石碑が建っている。鳥取藩の藩校、尚徳館(しょうとくかん)があった場所で、石碑はその理念などを記した「尚徳館記」である。鳥取まちなかガイドの会の西垣由喜恵さん(71)によると、尚徳館は1757年に5代藩主、池田重寛が創設。石碑は12代慶徳が1860年に建立し、「君臣の依るべき道は文武二道」と記した。
尚徳館は鳥取藩の教育の中心となり、近代日本をけん引した多くの教育者を生んだ。西垣さんは「鳥取県の教育の発祥地であり、現在図書館や公文書館が建っているのは、その理念にふさわしい」と語った。