日本水産グループの弓ケ浜水産(境港市竹内団地、竹下朗社長)が「境港サーモン」のブランド名で手がけるギンザケの海面養殖が2日、本格的に始まり、淡水養殖場で育てた稚魚を美保湾に移す「沖出し」の作業が行われた。今年は約125万匹を養殖する計画。来年4月上旬~5月中旬、全国に向けて約2千トンの出荷を見込む。
養殖は2011年に始まり、13年から本格的に事業化。今年から社屋近くの岸壁に並べた沖出し用いけすに放流するだけでなく、トラックから船の水槽に直接稚魚を移して沖合3キロのいけすに運ぶ手法も本格的に取り入れた。
この日は米子市淀江町など県内各地の淡水養殖場からトラックが次々と到着し、社員らが体長20センチ程度の稚魚を船上の水槽や岸壁のいけすに移した。
境港サーモンは、生食用と冷凍用を半々の割合で出荷。関東や関西を中心に、北海道から沖縄まで全国各地に販売される。
同社養殖課の杉山智哉さん(26)は「しっかりと餌を食べさせて水揚げを迎えられるようにしたい。刺し身や塩焼きでサケ本来の味を楽しんでほしい」と話した。