大規模な修理工事に入るため、12月末から約5年間休館する鳥取市東町2丁目の国指定重要文化財「仁風閣」で22日から、当時皇太子だった大正天皇が鳥取行啓の際に使用した部屋「御座所」が、1週間限定で特別公開される。1907年の建築以来、一般に開放されるのは初めて。仁風閣の工事完了後は再び入室が禁じられる。
仁風閣は、当時の宮廷建築の第一人者で赤坂離宮(東京都)や京都国立博物館(京都府)などを手がけた、片山東熊(とうくま)が設計。御座所は普段、一般の入室が禁じられており、部屋の外からのみ見学が許されている。
室内にあるカーテンボックスやシャンデリア、椅子などの家具類、暖炉飾りなどは大正天皇が使用した当時のままで、特別公開の期間中は、貴重な調度品を間近で見学できる。
大正天皇が寝泊まりした「御寝室」も御座所から見ることができる。同館の坂根達哉館長は「当時の調度品を間近で見られる貴重な機会。ぜひ国指定重要文化財の価値を体感してもらいたい」と話した。
御座所の特別公開は、22~28日の午前9時~午後5時。期間中、同館は入館無料となる。