境港市出身の漫画家故水木しげるさんの生誕100年を記念した公開中の映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」が観客動員数147万人、興行収入20億円を超える大ヒットとなっている。昨年30周年を迎えた同市の水木しげるロードには映画の効果が表れ、4月の水木しげる記念館のリニューアルオープンに向けて追い風となっている。
映画は鬼太郎の誕生秘話が描かれ、昨年11月17日から全国約250館で上映。境港市から最も近いMOVIX日吉津(日吉津村日吉津)の黒沢将支配人は「想定よりも多くのお客さまに来場いただいており、ロングラン上映を行っている」と話す。
同館では20日、境港市と共同で作製した水木記念館リニューアルオープンをPRするコースターの配布を始めるほか、映画に「水木」役で出演している声優の木内秀信さんの舞台あいさつがある。黒沢支配人は「公開が決まったタイミングから映画を盛り上げたいと考えていた。映画をきっかけに水木ロードを観光した人がいると思う。引き続き地元から盛り上げていく」と意気込む。
広島県呉市の会社員、田井あしたさん(52)は広島市内で映画を見て今月2日、妻と2人で初めて水木ロードを観光で訪れた。「子どもの頃から水木作品が好きで水木ロードは前から気になっていたが、広島からは近いようで遠い。映画を見たことが来るきっかけになった。ロードはあちこちに鬼太郎がいて楽しい」と満喫した。
水木ロードの入り込みへの映画の効果について、境港市観光振興課の担当者は「数字では表せないが、映画は特に若い女性に人気を集めており、そうした層がこれまでになく増えている」と話している。