鳥取県境港市出身の漫画家、故水木しげるさんの生誕102年を祝う「水木しげる生誕祭」(県主催)が3日、同市上道町の市民交流センターで開かれた。会場には鬼太郎やねこ娘などに仮装したファンが集結。「水木しげる漫画大全集」を監修した小説家の京極夏彦さんが、作品の魅力やエピソードなどを語った。
トークショーでは、京極さんが水木さんについて「幸福を見つけるのがうまい」と語った。水木さんは1943年に21歳で召集され、激戦地の南方ラバウルに赴いた。京極さんは「南方の最前線で現地のトライ族と交流し、素晴らしい生き方を発見した。南方で暮らしたいと思うほど“地獄”の中で“天国”を見つけてしまう」と水木さんについて語り、「地獄と天国、両方を感得するような暮らしが後の妖怪の理解につながっていくのだと思う」と話した。
オープニングでは、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」に登場する“ゲゲ郎”に扮(ふん)した鳥取県の平井伸治知事が水木さんの妻、武良布枝さん(92)らに特大のバースデーカードを贈呈。着ぐるみの鬼太郎や悪魔くんも駆けつけ、イベントを盛り上げた。
水木さんのふるさとへの功績に感謝しようと誕生日の3月8日に合わせて毎年開催。8回目の今回は「水木しげるの魅力再発見」をテーマに実施した。