鳥取マスターズ陸上競技連盟の副会長を務める白石義光さん(76)は、鳥取マラソンの全レースを完走しているベテランランナーだ。コロナ禍が明け、5年ぶりの実施に「本当にうれしい。完走記録を伸ばす」と笑顔で意気込む。
米子市出身で大学卒業後、大手電機メーカーに就職。結婚を機に故郷に戻り、鳥取大医学部で教職に就いた。元来スポーツ好きで、テニスの国体壮年の部で中国ブロックに出場し、本大会まであと一歩に迫った経験もある。
スキーなどにも取り組んでいたが、40歳の時に教授に誘われて出場した米鳥間駅伝などで健脚を発揮した。本格的に長距離走を始めたのは退職後。昨年の全日本マスターズ選手権ではM75(75歳)の1500メートル、3000メートルで優勝している。
フルマラソンにはこれまでに50回近く出場した。鳥取マラソンの前身の日本海マラソンにも第5回から参加し、ほぼ全てで完走を果たした。それだけに2020年からの大会中断は「とても悲しかった」と振り返る。
久しぶりの大会を控え、気持ちは高ぶる。現在は昼間はテニス、夕方から10キロを走って調整に余念がない。昨年11月の神戸マラソンでは4時間6分台をマークした。
80歳まで走り続けるのが目標だ。「年々タイムは落ちてきている。しかし自分の力を冷静に見極めることが大事だ。鳥取マラソンは現在地を教えてくれる大切なレース」。夢の実現に向けた重要な一里塚と位置づけ、レースに臨む。
(椎葉直)