東郷池もっと深掘り 地元建築家磯江さんら 文献・聞き取り調査実施

 東郷池に何が沈んでいるのか-。東郷池の地図や文献をひもとき、調査した湯梨浜町の建築家らによる報告展示「湧き出た温泉と沈んだ民話 東郷池民話探訪」が31日、同町松崎のさくら工芸品工房で開かれる。企画した磯江知弥さん(35)=同町旭=は「東郷池にもっと近づき、使うのが自然な姿」と東郷池を使った活動を構想している。

 磯江さんをはじめ、県内外で建築活動をする「budou」のメンバー3人が、昨年秋から調査を開始。磯江さんは「東郷池は景色や空気感、居心地が良い。移住者を受け入れる地域性もあり、(東郷池が)どういう存在なのか考えるようになった」と報告展示を企画した理由を説明する。

 周辺住民への聞き取りや、古地図や航空写真、文献を読み込んで、地域に伝わる民話などを基にイラストなども創作。「ごみ捨て場と思っていた」「タイとフグとフナがいっぺんに釣れた」などのエピソードも「民話探訪」として紹介。「町は東郷池を中心に成り立っていると読み取れる」(磯江さん)と、会場内にぐるりと椅子を置いて荒縄で囲み、中央には縄を巻いた演出を施し、神聖な雰囲気を醸し出している。

 東郷池のほとりの地名「龍島(りゅうとう)」にちなんだサウナ船「龍湯(りゅうとう)」プロジェクトも計画中。サウナの熱を池に入って冷ますというアイデアで、磯江さんは「東郷池の現在と過去とつなげながら、地域の人を巻き込んで活動していきたい」と目を輝かせる。

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